紅茶の味わいの一つに、「マスカテルフレーバー」というものがあります。
香りをつけていないのに、天然でマスカットのようなフルーティーな香りがするというものです。
今回はそんなマスカテルフレーバーについてご紹介します。
マスカテルフレーバーのダージリンは全体のわずか1%
紅茶が好きな方は、一度は聞いたことがあるワードかと思います。
しかし、実際に飲んだことがある方は少ないのではないでしょうか。
高品質の夏摘みダージリンでしか味わえないうえに、マスカテルフレーバーを感じられるものはわずかしかありません。
そんな幻とも言える紅茶は、紅茶専門店で購入することができます。
「キャッスルトン茶園」と「マーガレッツホープ茶園」
紅茶専門店では、ダージリンと一括りに言えど、たくさんの茶園ごとに茶葉を販売しています。
マスカテルフレーバーのダージリンとしておすすめの茶園は、安定して生産している「キャッスルトン」と「マーガレッツホープ」です。
さすがですね。完熟した果実のような香りと、後味に残る甘い余韻がとてもおいしいです。
最高級なダージリンなだけあって、100gで10,000円くらいのお値段がするかと思いますが、ぜひ一度は飲んでみたいですね。
マスカテルフレーバーは、茶畑に住む虫がかんでいた!
そんな超高級ダージリンは、どのように生まれているのでしょうか。
諸説ありますが、
なんと、びっくり。「ウンカ」という虫がお茶の葉を噛むことで、甘い蜜のような香りが出ているんです。
ウンカは、黄緑色で3mmほどの小さな虫で、日本では稲の害虫としても知られています。
以下詳しいメカニズムです。
その際に、お茶の葉が抵抗して「ファイトアレキシン」である「ジオール」という物質を出します。
この物質を出すことで、ウンカの天敵であるクモを誘き寄せることができ、植物ながらに自分を守ろうとします。
そして、この「ジオール」という物質は加熱されることにより「ホートリエノール」という揮発性のいい香り成分に変化し、お茶の香りをつくっています。
虫と聞くとちょっと嫌ですが、とってもありがたい存在なんですね。
茶園の方々は、そんなウンカを大事に見守っているそうです。
ウンカは、世界中の茶畑にいる
実はこのウンカ、日本の茶畑にもいます。
紅茶も緑茶も「同じお茶の木」なので、汁を吸いに日本にもいらっしゃってます。
日頃お世話になっている虫さんランキング1位かもしれませんね。
また、蜜香紅茶で有名な「東方美人」という台湾茶は、このウンカに噛まれた葉っぱのみを使用したというエピソードで有名です。
マスカテルフレーバーとはまた違う、蜜のような甘い味わいで、こちらもぜひ一度飲んでみてください!